Bashのストリーム/パイプ処理を視覚的に理解する
はじめに
今日、サーバOSとしてLinuxが占める割合は非常に多いです。
Linuxサーバへログインして作業をすすめるにあたり、 Bash に上手に仕事を依頼できるかで生産性に大きな違いが出てきます。なぜなら、多くのLinuxサーバに標準搭載されているUIは、Bashだからです。
現在携わっているサービスのサーバも例に漏れずLinuxが利用されています。
"ストリーム/パイプ"を理解すれば"Bash"が理解できる
"ストリーム/パイプ"を理解すれば"Bash"が、そして"Bash"の 便利さ が理解できます。
ですが、"Bash" のコマンドは処理の複雑さの割に短く、理解が進むまでは非常に敷居の高い仕組みになっています。
そこで、 "ストリーム/パイプ芸" 達を視覚化してみることにしました。
以降、 "ストリーム/パイプ芸" たちをサンプルコードとともに掲載します。
サンプルコードの意味は説明を最小限にしますが、替わりに視覚化していきます。
当エントリの最後に"ストリーム/パイプ芸"を大変わかりやすく紹介しているページのURLを紹介しておきます。
図の見方
登場人物 は以下のものたちです。
"ストリーム/パイプ" パターン紹介
1.単純に実行(非ストリーム/パイプ)
まずはじめに ストリーム/パイプを利用していない例 から。
出力結果を次のコマンドに渡すためには、一時的にファイルに書き出す必要があります。
サンプルコード
具体例
視覚化してみました
2.単純なパイプ
比較的よく実行するタイプです。
データも左から右へと流れるため、直感的に理解し易いです。
サンプルコード
具体例
視覚化してみました
3.T字型出力パイプ
コマンドをパイプでつなぎ、段階的に出力結果を加工していきたい場合があります。
その場合、加工途中の内容を残していきたい場合があります。(ex: 中間データを別の目的で利用する / 中間データに問題がないかを確認するために出力しておきたい)
teeコマンドは上記のような場合にしばしば利用されます。
サンプルコード
具体例
視覚化してみました
4.名前付きパイプ
mkfifo コマンドを使って、FIFO(First In First Out)形式のデータファイルを作成することが可能です。
データの送信元と受信元で実行タイミングに同期が取れない場合に便利です。
サンプルコード
具体例
視覚化してみました
5.プロセス置換
Bashでは、入力情報を3つ以上の出力先に流すことも可能です。
サンプルコード
具体例
視覚化してみました
6. 複数の入力情報を処理する
今までは1つの入力情報を処理する例でしたが、2つ以上の入力情報を処理することもできます。
前回同様プロセス置換を利用します。
サンプルコード
具体例
視覚化してみました
7.あるDBサーバから別のDBサーバへデータをコピー
実業務でもたまに行うことがある作業です。
sshで接続可能なサーバA/B間でデータのやり取りを行う例です。
このあたりのコマンドが使えると、のんびりトイレにいっている間に一仕事終わらせることができます。
サンプルコード
具体例
各DBの接続情報は以下のようになっているものとします。
文字列 | 説明 |
---|---|
from_user | fromサーバーユーザ |
from_server | fromサーバーホスト |
from_dbuser | fromDBユーザ |
from_dbname | fromDB名 |
------------- | -------------------- |
to_user | toサーバーユーザ |
to_server | toサーバーホスト |
to_dbuser | toDBユーザ |
to_dbname | toDB名 |
- 事前にsshする両サーバーに、ssh-keygenで秘密鍵を作っておくとパスワード入力に悩まされません。
- sshのパスワードが解消されたとしても、pg_dumpコマンドやpsqlコマンドのパスワードの入力問題も残りますが、ここでは触れません。
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